斉と 公平太(さいと こうへいた、1972年12月 - )は、日本の現代美術家。「オカザえもん」の作者として知られる。

来歴

愛知県日進市生まれ。本名は齋藤公平。

中学3年生の頃にテレビで見たフランス出身の美術家マルセル・デュシャンの『泉』が創作の原点だという。高校時代、建設中の高速道路の高架橋に感動。次第に美術の世界に魅了されていく。

1991年、名古屋造形芸術大学(現・名古屋造形大学)に入学。仲間から刺激を受け、卒業後は現代美術作家になることを決意。1995年3月に同大学を卒業し、警備員などのアルバイトをしながら制作を続けた。2005年2月、第8回岡本太郎記念現代芸術大賞展にて特別賞を受賞。

2009年、日本のご当地キャラクター現象に着目し、「長者町くん」、「LOVEちくん」、「ARTくん」など一連の作品を発表。LOVEちくんは着ぐるみが存在する。長者町くんは着ぐるみのほかに漫画もあり、Facebookで不定期連載されている。並行して「世紀マ3」というバンドで音楽活動も行う。2012年7月、「長者町くん漫画」第1巻を出版。

オカザえもん誕生

2012年、現代美術展「岡崎アート&ジャズ2012」(11月1日~12月2日)のための出品の依頼を受ける。そこで制作したのがオカザえもんだった。考案から完成するまでに約8ヶ月かかったという。もともとはイラストだったが、同美術展では着ぐるみも出品した。会期中の11月17日、アートイベント「オカザえもん in 二七市(ふないち)」を開く。

その後オカザえもんは徐々に人気を集め、2013年4月1日、岡崎市から「岡崎アート広報大臣」に委嘱された頃から、市民に広く知れ渡るようになった。同年に開かれた「ご当地キャラ総選挙2013」と「ゆるキャラグランプリ2013」では、オカザえもんはそれぞれ全国2位と全国22位に選出された。

オカザえもんの関連商品は全国規模で販売されているが、斉とは岡崎市内の業者に限って「著作権料はいらない」と申し出ている。

2013年11月、中京テレビの情報バラエティ番組『前略、大徳さん』のキャラクター、「大徳さん」を制作した。

2014年3月、愛知県警岡崎署特別警戒隊のTシャツ(絵柄はオカザえもん)をデザインした。

同年7月1日、「岡崎市制施行98周年記念式」において、産業功績者の表彰を受ける。

同年7月26日、岡崎市のイベント・サミット「おかざきコウエンナーレ2014」が開幕。そのオープニング・セレモニーに登場した「ワルザえもん」をデザインした。目は血走り、体は包帯で覆われ、ロボットのようなカギ爪を持ち、胸部には「悪」の文字が吊されたワルザえもんはセレモニー後も岡崎公園内を闊歩し、「怖すぎるゆるキャラ」として話題をさらった。

同年9月21日、高さ約8メートル「オカザえもんロボット」が岡崎公園に登場。23日には映像公開撮影も行われた。斉とは長久手市のアートユニット「ミラクルファクトリー」と共に、ロボットの各パーツの製作を手がけた。

現在

2015年3月9日、平成26年度の愛知県芸術文化選奨文化新人賞を受賞した。

同年4月6日、岡崎市から「あいちトリエンナーレ2016」のPR活動への協力を要請される。斉とは「新しいキャラクターも考えている」と記者の前で述べた。

展覧会など

  • 1994年 - 勉強時代展 (於・ギャラリーP-house)
  • 1997年 - 個展 (於・水戸芸術館現代美術センター)
  • 1998年 - VOCA展98 (於・上野の森美術館)
  • 1999年 - 個展 (於・ギャラリーCANOLFAN)
  • 2000年 - 空き地 (於・豊田市美術館)
  • 2005年 - 第8回岡本太郎記念現代芸術大賞展 (於・川崎市岡本太郎美術館)
  • 2008年 - 新進アーティスト発見インあいち (於・愛知芸術文化センター)
  • 2009年
    • 10月 - 長者町プロジェクト2009 (於・名古屋市中区長者町繊維街)
    • 10月 - 個展 (於・MUZZ PROGRAM SPACE)
  • 2010年 - あいちトリエンナーレ2010 (於・名古屋市内)
  • 2012年 - 岡崎アート&ジャズ2012 (於・岡崎市内)
  • 2013年
    • 7月 - ワークショップ「斉と公平太さんと商店街のキャラクターをつくってみよう!」 (於・みやざきアートセンター)
    • 10月 - あいちトリエンナーレ2013 「オカザえもん展」 (於・名古屋三越栄店)
    • 11月 - 「がまごおり物語」展 (於・蒲郡市立図書館)
    • 12月 - 「オカザえもんの軌跡」展 (於・Masayoshi Suzuki Gallery)
  • 2014年
    • 9月 - オオウチハジメ氏を探す旅 展 (於・みやざきアートセンター)
  • 2017年
    • 6月 - 中日新聞プラスにてコラム「芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~」連載開始

脚注

関連項目

  • オカザえもん
  • 岡崎市
  • あいちトリエンナーレ
  • 前略、大とくさん
  • ぐ〜たくさん

外部リンク

  • 芸術は漠然だ!~斉と公平太のムダに考えすぎ~

斉と公平太|断続・プロット・生活 − See Saw gallery + hibit

アラン、斉と公平太『非零和無限不確定不完全情報ゲームとしてのアート?』 タリオンギャラリー ART iT(アートイット)

アラン、斉と公平太『非零和無限不確定不完全情報ゲームとしてのアート?』 タリオンギャラリー ART iT(アートイット)

アラン、斉と公平太『非零和無限不確定不完全情報ゲームとしてのアート?』 タリオンギャラリー ART iT(アートイット)

斉と 公平太 3331 ART FAIR 2019