アダム・アラン・リンドAdam Alan Lind, 1983年7月17日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州デラウェア郡マンシー出身の元プロ野球選手(一塁手)。左投左打。愛称はドニー

経歴

プロ入り前

2002年のMLBドラフト8巡目(全体242位)でミネソタ・ツインズから指名を受けたが契約せず、南アラバマ大学に進学。

プロ入りとブルージェイズ時代

2004年のMLBドラフト3巡目(全体83位)でトロント・ブルージェイズから指名を受け、プロ入り。

2006年9月2日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビューを果たした。この年はわずか18試合の出場ながら、.367という高打率を記録。その他の打撃部門でも軒並みハイレベルな成績を記録した。

2007年は右打ちのリード・ジョンソンとの併用で左翼を守り、89試合に出場。

2008年は左翼手の他、指名打者として16試合に出場した。

2009年は開幕戦に指名打者で先発出場し、ブルージェイズの開幕戦記録となる6打点を記録した。また、2001年のカルロス・デルガドに並ぶ開幕5試合で11打点のチームタイを記録した。8月31日には自身初の満塁本塁打を打ち、自身最多の1試合8打点を記録。9月6日に週間MVPを受賞した。この年は指名打者で92試合、左翼手で55試合に先発出場し、打率.305、35本塁打、114打点を記録。ヤンキースの松井秀喜、ツインズのジェイソン・クベルらを抑え、指名打者部門でシルバースラッガー賞を受賞した。また、最優秀指名打者に贈られるエドガー・マルティネス賞も受賞した。

2010年は開幕直前の4月3日に4年総額1800万ドル、2014年から2016年までのオプションも含めると7年総額3850万ドルで契約を延長した。チームの主砲として更なる飛躍を期待されたシーズンだったが、5月以降に深刻な打撃不振に陥り、打率は一時.203まで低下した。終盤はやや持ち直したものの、打率.237、23本塁打、72打点、OPS.712という成績に終わった。特に対左投手は打率.117、OPS.341と全く打てず、後半戦は相手先発が左投手の際には先発を外れることも増えた。この年限りで正一塁手ライル・オーバーベイの契約が満了することもあり、シーズン終盤に入ると翌年以降のコンバートを見込んで大学以来となる一塁守備に就くこともあった。

2011年からは一塁手として起用されている。シーズンとしては、前年比マイナス25試合の出場だったが、打撃3部門の成績はいずれも向上。

2012年は4年ぶりに規定打席到達を逃したシーズンとなった。出場機会減少の影響により、それまで3年連続で記録していた20本塁打・70打点の水準に、いずれも届かなかった。一方で選球眼が向上し、低打率の影響で.300未満の数値が続いていた出塁率は3年ぶりに.300以上の水準に戻った。

2013年は再び規定打席に到達した。打率は3年連続で上昇し、出塁率と長打率はいずれも規定打席に到達したシーズンとしては自己2番目の水準となる数値を記録した。

2014年7月11日に右足の負傷のため15日間の故障者リストに入った。8月12日に故障者リストから外れた。故障の影響もあり、出場試合数は100未満に終わった。一方で、規定打席未到達ながら打率.300以上を記録。得点圏でも打率.343、33打点とよく打ったものの、本塁打数は6年ぶりに2桁に届かずに終わった。

ブルワーズ時代

2014年11月1日にマルコ・エストラーダとのトレードで、ミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した。

2015年、通算150本塁打を達成した。この年は149試合に出場して打率.277、20本塁打、87打点の成績を残した。

マリナーズ時代

2015年12月9日にフレディ・ペラルタ、ダニエル・ミサキ、カルロス・ヘレーラとのトレードで、シアトル・マリナーズへ移籍した。

2016年は126試合に出場して打率.239、20本塁打、58打点の成績を残した。オフの11月3日にFAとなった。

ナショナルズ時代

2017年2月15日にワシントン・ナショナルズと1年契約(2018年のオプション付き)を結んだ。

11月2日、ナショナルズは契約オプションを破棄して違約金50万ドルを支払い、FAとなった。

ヤンキース傘下時代

2018年3月2日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、同年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。3月14日に一度FAとなったが、4月18日に再びマイナー契約を結んだ。ヤンキース傘下ではA 級タンパ・ターポンズとAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレーした。5月25日に FAとなった。

レッドソックス傘下時代

2018年6月2日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ポータケット・レッドソックスへ配属された。8月1日に FAとなった。

選手としての特徴

高校時代にはウエイトリフティングもしていたパワーヒッター。広角に長打を放てる打撃が最大の持ち味。2009年は35本塁打のうち17本を中堅から左方向に放った。弱点は選球眼と左投手である。

外野の守備力は低く、UZR/150は通算で-10.9となっている。近年は外野での出場機会が減少しており、指名打者での出場が増えている。2007年には89試合中80試合で守備に就いていたが、2010年は一塁と合わせても150試合中24試合しか守備に就かなかった。

私生活

2010年にトロント在住の女性と結婚し、現在は一男一女の父親である。第一子(長女)が2011年9月に、第二子(長男)が2013年4月に誕生した。

詳細情報

年度別打撃成績

年度別守備成績

表彰

  • シルバースラッガー賞(指名打者部門):1回(2009年)
  • エドガー・マルティネス賞:1回(2009年)

背番号

  • 26(2006年 - 2014年、2016年 - 2017年)
  • 24(2015年)

脚注

関連項目

  • メジャーリーグベースボールの選手一覧 L

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Adam Lind stats MiLB.com (英語)

ポッドキャスト:アダム・リッポンとメリル・デイビス

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